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獣医さんのお話

   
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ノミの予防について

ノミは人間や動物から血を吸って生きています。

そのため、非常に多くのノミが寄生していれば、長期間にわたって多量の血を吸われ、鉄分が不足して貧血になることもあります。ただし、貧血になるほど多くノミが寄生しているというのは、きれい好きな猫としては異常なことで、グルーミングをしなくなる、体調の悪さが第一に考えられ、そちらの方を先に治す必要があるでしょう。

猫では、ノミが吸血した部分の皮膚には多かれ少なかれ皮膚病ができます。これは、軽いかゆみや発赤程度のものから、激しいかゆみになったり、ぶつぶつの粟粒性皮膚炎という皮膚病ができるものまで様々です。

この場合、激しいかゆみを伴う皮膚病ができた場合には、必ずアレルギーが起こっています。アレルギーは、ノミの数には関係なく、一匹でも吸血すると、ノミの唾液に対して激しい全身のアレルギー反応が起こります。ノミはまた、条虫(さなだ虫)の蔓延の原因ともなります。条虫は、ノミが媒介する寄生虫で、片節がちぎれて肛門付近に出て来たり、猫がいつも寝ている場所に、白ごまのような片節が落ちていることで発見されます。

もし、猫の体に1匹のノミがいたとしたら、周りの環境中には100倍のノミがいると思ってください。動物の周りに100匹ものノミは通常みえませんから、そんなに多くのノミがいるとは信じられないかもしれませんが、実はノミの予備群とも言える幼虫やさなぎの形で環境中に隠れているのです。

雌のノミは1回に20個くらいずつ、一生に数百もの卵を産みますが、それが床に落ちて2-20日で幼虫に発育します。発育場所は、温度と湿度が良好で,しかも人通りなどが少ない隠れた場所で,また餌になる成虫の糞が落ちるところ、というように一定の条件があります。 ノミの発育に適した環境条件は、24-32℃、湿度60-80%と、比較的高温多湿の日本の夏はぴったりです。そして10-200日の間に脱皮を3回行い、さなぎになります。さなぎからは1週間たてば成虫が出てきますが、環境によっては1年間じっとしていて、それから成虫になることもあります。ノミは動物や人間の血管を正確にねらって吸血しますが、まず動物の吐く二酸化炭素を感知してたかります。じっと待っていたさなぎが、二酸化炭素に反応して成虫にかえることも可能で、空き家に立ち入ったら急にノミに咬まれたというのは、さなぎからその場でかえった成虫ということもあるのです。さらに成虫自体も、ずっと吸血しないで1年位生きてゆくことも可能です。

このようなライフサイクルを理解して、ノミの駆除のための作戦を立てましょう。もう動物の体のノミだけを退治しても仕方がないことはおわかりになったと思います。動物の体についたノミはノミとり櫛でていねいにとってやることも可能です。櫛についたノミは、熱湯につけて殺してしまうか、中性洗剤を入れた水に沈め、窒息したのを確認してから、下水に流すのも良い方法です。さらに効果的な方法としては、ノミとりシャンプーがあります。このような成虫駆除は同居動物すべてについて行う必要があります。

また、ノミとりパウダーやスプレーでノミがつくのが予防できます。様々な薬が販売されているので、選択に当たっては必ず獣医師に相談するのがよいでしょう。特にノミアレルギーの猫は、ノミ1匹に吸血されてもかゆみや病変はおさまらないので、各種のノミ駆除方法を組み合わせた根本的な解決が必要です。 次に、環境のクリーニングです。猫が決まった寝床を使っているのなら、定期的に清掃します>タオル、毛布類はノミの幼虫の繁殖場所になりやすいので使わないようにします。そして床がカーペットの場合は、毎日徹底的に掃除機をかけます。 ここで,集中的に行う場所とは、さきに書いたノミの成長に適した場所で、しかも動物の体からノミの糞が落ちるところです。人間のベッドでいつも猫が寝ているなら、ベッドの下や、ベッドからいつも飛び降りる場所の床がノミの幼虫の好む場所です。掃除機によるクリーニングはこれからも重要な駆除法でしょう。 (環境クリーニングの要点)

  • 動物の体にいるノミの100倍が環境中に棲息する
  • 動物のノミだけの駆除では十分ではない
  • 幼虫の住む場所を徹底的に掃除機によるクリーニング頻繁に行う
    • 人や動物の往来があまり激しくないやや隠れた場所
    • 動物の毛,ノミの卵,ノミの糞が集中的に落ちる場所
    • カーペットや畳の目の中,タンスの隙間,ベッド下、温度と湿度が適当な場所
  • ゴミパックは殺ダニ用あるいはノミとり首輪を入れて使う
  • カーペット用の吸い口でたたきながら吸うものがよい
  • 薬剤による駆除
  • ダニ用スプレー,ダニ用パウダー

成人病予防について

獣医学の発達、飼い主の意識の向上、食餌を含めた環境の改善により、動物の寿命が年々延長されています。それに伴い、今までは気付かれなかった高齢動物におけるいわゆる老人病が発見されるケースが増えています。皆様が飼育されている動物達のより良い老後と、長生きのために、以下の点に注意して観察してみてはいかがでしょうか。

歯周病・歯石

口をあけて口臭がきつくありませんか? 歯になにか歯石や歯垢がついていませんか?

心臓病

夏の暑さに弱くありませんか? (舌をだして呼吸する、呼吸の回数が増える等) 運動することをいやがることは有りませんか? セキをすることはありませんか?

腎臓病

尿の色や臭いに変化はありませんか? 排尿の回数や量に変化はありませんか? 水を飲む回数や量に変化はありませんか?

白内障

瞳の中を良く見てください、くもっているような気がしませんか?

骨・関節疾患

(脊椎)? 運動を嫌がりませんか? 抱き上げると鳴いたりしませんか? 超小型犬(レッグパーセス、膝蓋骨脱臼症候群)・大型犬(股関節形成不等)に多い。 老齢犬では脊椎疾患が多い。

糖尿病  

最近、「多飲・多食・多尿・痩せる」などの心当たりがありませんか?

肝臓病

食欲不振・痩せる・尿が黄色くなる・便の色が薄くなる等の心当たりがありませんか?

内分泌の病気

卵巣、精巣、副腎、甲状腺のホルモン異常でおこる病気で、症状は多種に及びます。 心配な方は、ぜひお電話ください。何れも、早くて8歳、遅くとも12歳から始まります。

子宮内膜炎・子宮蓄膿症

不妊手術のしていない老齢動物に多いが、稀に若くても成り得る。

乳腺腫瘍

メスの乳腺に出来る、硬いできもの。猫は悪性が多いので、早急な手当てが必要。

病気の多発する年齢(幼若期、中年期、老年期)は人と同じです。 これらの時期には必ず動物病院でチェックを受けてください。 必ずしも高額な検査でなければ発見できないとは限りません。私たちの一般身体検査で、多くは発見することができます。検査はむしろ、それを裏付け、納得して頂く為に行うことが多いのです。私たち獣医師も、関係各企業も、大学も、研究機関も、皆様の動物たちの為に精一杯努力して参ります。御安心ください。

猫の病気

巨大結腸症

巨大結腸症とは、原因不明の結腸機能障害による便秘で起こる後天性の結腸拡張と 運動性の低下です。筋肉の機能障害がこの疾患の原因と考えられています。広範囲な年齢の猫に起こり、品種または性別による好発性はありません。肥満の、活発ではない猫での危険性が大きいとされています。 環境的ストレスまたは変化、ならびに排便姿勢をとることや砂箱を使えないこと(たとえば後肢骨折・股関節形成異常・両側膝関節脱臼)も腸運動を減退させ、続いて便秘と結腸拡張をもたらすことがあります。

(症状) 緩下剤および、浣腸による治療に応答の悪い慢性便秘。 臨床徴候は数ヶ月ないし数年続くことがある。?

(鑑別診断) (同じような症状を示すが、区別しなければ行けない病気) 腔外狭窄(幼い頃の交通事故や、外傷による骨盤骨折・腫瘍)、腔内狭窄

(異物・摂取物・腫瘍) 偽糞便停滞

(会陰部の被毛と汚物のマット化・糞便の通過障害) 結腸または直腸の狭窄、会陰ヘルニア、排便困難

(直腸肛門域の炎症性疾患によるなど) 腰仙疾患

(傷害・狭窄・マンクス猫のそれのような奇形) 低カリウム症などの便秘の原因が含まれる。

(治療法) 便軟化剤の使用により、便秘を防ぐことからはじめる。定期的な浣腸の実施、便の強制排泄(搾り出す・かき出す)を行う事により、生活する方法もあるが、動物が衰弱する可能性も高く、長期間推奨できる方法ではない。繊維は糞便を柔らかくし、いくらか糞便のかさを多くするが、巨大結腸症の治療を助けることがある。内科治療をしても、反応が乏しい場合は、部分的結腸切除術を行い、外科的処置を推奨。外科的処置が成功すれば、予後は良好である場合が多いとされているが、便軟化剤を生涯必要とすることもある。

糖尿病

体の中の細胞はぶどう糖(グルコース)をエネルギー源にして生きています。グルコースは食べ物の中に含まれ、腸から吸収されて肝臓に行き、肝臓や筋肉の細胞の中ではそれが数多く連なった形のグリコーゲンという物質の形で保存されています。そして必要に応じて、血液の中を流れて他の部分に運ばれて行きます。血液の中のグルコースの濃度を血糖値(血液の中の糖の濃度という意味)と呼び、この血糖値はインスリンという膵臓から出されるホルモンによって、ほぼ一定範囲内にコントロールされています。インスリンが出なくなったりその効き目が悪くなっていつも高血糖が続き、尿に糖が捨てられる病気が糖尿病です。

(猫の糖尿病の種類) 猫の糖尿病にはインスリン依存性というものと、非インスリン依存性というものがあります。インスリン依存性の方が圧倒的に多いのですが、インスリンが分泌されなくなったために起こる糖尿病です。それに対して非インスリン依存性糖尿病は、インスリンの分泌がやや悪いか、あるいは分泌されていても、肥満などでインスリンの効き目が悪くなっているものです。

(糖尿病を疑う症状) このように糖尿病の原因は一つではないので、体重一つをとってみても、肥満の場合と激しく痩せている場合があります。すなわちインスリン依存性糖尿病の場合は食べるのに痩せるのが特徴で、非インスリン依存性の場合は肥満のために糖尿病になるということです。しかしながら、共通の症状としては、水をよく飲んで尿が多量に出る多飲多尿、食欲の増進があります。その他尿が濁ったりする(尿の中に膿や細菌が出る)こともよくあります。

** (診断) 病院で血液の検査を行う場合は、普通は夜食べたら朝は抜いて、病院に行きます。したがって病院では空腹時の血液を調べることになるのです。ここで血糖値を測定してそれが高く、さらに尿の中に糖が出ていれば(出ないのが正常)、とりあえず糖尿病が考えられます。その他尿の中にケトンという物質が出ていれば、炭水化物代謝に完全に異常があることがわかり、しかも危険な状態が差し迫っていることが考えられます。

(治療) 猫が痩せていて、呼吸が荒く、尿にケトンが出ている糖尿病の場合には、糖尿病性ケトアシドーシスと診断され、入院で緊急治療が行われます。この場合、危機を脱するまで、点滴とインスリンの注射が続けられます。そして状態が落ちついたところで、家庭でのインスリン療法に切り替える準備が行われます。またケトアシドーシスほど激しくない病気の場合は、この家庭内でのインスリン療法の準備から始まります。インスリン依存性糖尿病の場合、一生インスリンを使い続ける必要があるので、治療は家庭で毎日注射によって行われます。このため、病院ではどんなインスリンをどれくらい打ったらよいのかを決めるための検査を行います。猫に毎日注射をするのはかわいそうと思うかも知れませんが、これによって猫は生きて行くのですから責任重大です。 肥満の猫で、尿にケトンは出ていないようなものであれば、インスリン非依存性糖尿病である可能性が十分考えられます。このようなものでは、最初にインスリンを使うことはあっても、徐々にインスリンの量も減らし、結局インスリン療法を終わらせることも可能かも知れませんし、そのためには食餌療法で減量することがポイントです。 さらに、インスリン治療なしに、食餌療法のみ、あるいは経口血糖下降薬(のむ薬)で、血糖値を下げられることもあります。

(糖尿病の猫の食餌療法) 糖尿病の猫の食事は、多量を1回に与えるよりも、少量の食餌を数回に分けて行うのがよいとされています。これは、毎食後に起こる高血糖を最小限にし、血糖値の変化を抑える意味もあります。1日何回も食べる猫には1日中自由に食べられるようにしてやり、1回に大食いの猫では理想的には、昼のうちに少量の食餌を3-4回与えるのがよいでしょう。 体重コントロールが必要な場合は、粗線維を多量に含む療法食を利用します。しかし体重コントロールは、獣医師の指導のもとに徐々に行わないと、肝臓に脂肪がたまる脂肪肝という病気が発生するので危険です。安全な減量のためには、2-4カ月かけて徐々に目的体重へという努力が必要です。最初から痩せた猫には線維を多量に含む食餌は与えません。 猫は療法食に変えた場合、気に入らないで食べないこともあります。そのような場合は、少し暖めるなどの工夫が必要でしょう。頑固に食べない場合、待ってよいのは36-48時間だけということをおぼえておいてください。健康維持のためには何かを食べることが先決で、高線維を食べないにしても何かを食べなくてはなりません。したがって食べない場合には、無理に線維食だけにこだわるのではなく、何かを食べさせて、すぐに獣医師に相談してください。

栄養性二次性上皮小体機能亢進症

本症は、幼若な猫で発症しやすく、ミネラルやビタミンのアンバランスな食餌により引き起こされる骨疾患です。

(原因) 幼少期(離乳後の2ヶ月から8ヶ月)に、カルシウム、リン、ビタミンDのバランスの悪い食餌を、常時給与された結果、低カルシウム血症を引き起こし、上皮小体(血中のカルシウム濃度のコントロールをする器官)を刺激する事により骨代謝異常が起こる。

(症状) より幼若な個体ほど、症状の発現は急速で、重度である。体をさわると、嫌がる、痛がる等の症状がみとめられるが、特定の場所を発見することが困難である。動作が緩慢で、歩行もうまく行う事ができない。跳躍や、乱暴な取り扱いによって骨折を生じやすい。ずんぐりした体型をしており、背部中央は突出し、腰部の陥凹を認める。疼痛の為に排便をがまんすることにより、腹部膨満を呈することもある。

(治療) 食事中のカルシウムとリンの不均衡を是正した食餌をあたえる。(2〜3ヶ月)。少なくとも添加食餌を給与して1ヶ月間は、新たな骨折などの予防のため、床面の平らなケージに入れるなど、飼育管理に充分な注意が必要。

(予後) 適切な診断と、食餌の改善がなされれば、予後は良好であるが、骨に変形の見られたものについては、変形は治らない。この疾患に罹患したことのある猫は、難産になる傾向が強いため、避妊手術を施すと良い。

犬の病気

犬の乳腺腫瘍

犬の乳腺腫瘍は雌犬における腫瘍の中で最も発生率が高い腫瘍です。 特に避妊手術を受けていない10才前後の肥満した雌犬が最も発症しやすい病気です。また犬の場合、悪性の確率は50%です。

(原因) 発病に関する明らかな原因は確定していませんが、乳腺腫瘍と卵巣から出るホルモンとは密接に関係しています。避妊手術を受けていない雌犬の発症率は避妊手術を受けた雌犬の7倍となります。また、避妊手術を受ける時期も関係しており、初回発情前に手術を受けると最も発症率が低くなります。発症が多く見られるのは避妊手術をしていない犬、10才前後の老齢犬、肥満犬です。

(診断) 問診・触診・視診・細胞診などによって良性の可能性が強い場合、定期的に観察する必要があります。悪性の可能性が強い場合、血液検査、レントゲン検査などを行ない、その腫瘍によって治療プランを立てます。また、TNM分類と呼ばれるステージに分類することも治療方針を決める助けとなります。

(治療) 1、外科療法 結節摘出術ー腫瘤のみ、もしくは腫瘤とその周辺組織のみを切除する手術。 領域乳腺摘出術ー第1〜第3、第4〜第5など部分的な乳腺やリンパ節の切除。 片側乳腺摘出術ー片側の乳腺を切除する手術。 両側乳腺摘出術ー両側の乳線を全て切除する手術。 避妊手術−避妊手術を行なっていない雌犬が乳腺腫瘍を発症した場合、乳腺の摘出術と共に卵巣摘出を行なうことも多い。しかしながら、既に乳腺腫瘍が発症した段階で避妊手術をすることが予後に良い結果をもたらす事は未だ証明されておらず、獣医師と飼い主の十分な説明と同意が必要でしょう。 2、化学療法(抗がん剤) 乳腺腫瘍に対する化学療法はいくつかの有功例も報告されているが現時点では確立されていない。 3、放射線療法 乳腺腫瘍に対する放射線療法の有功性は確認されていない。 4、対症療法 遠隔転移が見られるなど外科手術適応外のもの、もしくは何らかの理由によって手術が出来ないものについては症状に合わせた対症療法がとられます。 (予後)手術後の状態については、腫瘍のタイプ、大きさ、ステージによって異なります。腫瘍の大きさは重要で、3cm以上では再発率が高くなります。早期発見、早期治療が望まれます。

子宮蓄膿症

子宮内に膿が貯留する病気で、発症時期は7才前後に多く、発情後1〜2ヶ月に集中して発症します。

(症状) 多飲多尿、食欲低下、嘔吐、脱水、腹囲膨満などです。中には陰部から膿汁が見られることもあります。

(診断) 臨床症状の他、レントゲンによる腫大した子宮の確認、エコーによる子宮内腔の検査、血液検査での白血球の増加などによって診断します。

(治療) 1. 外科手術 最も一般的な治療方法であり、十分な術前の検査を行なった上で卵巣子宮全摘出術を行なう。 2. 内科療法 現在、プロスタグランジン製剤による内科療法の研究が進んでいるが、副作用のあること、再発の可能性があることなど問題点も多い。他の病気を併発していたり、高齢などによって外科手術が困難な場合や飼い主が手術を望まない場合に適応となります。

産褥テタニー

分娩後の雌犬が低カルシウム血症となることで発症する緊急疾患です。 多くの場合、授乳開始後2週目くらいで発症しますが、妊娠後期や分娩直後に見られることもあります。母犬は乳汁中に多くのエネルギー源を仔犬に供給する必要があり、特に乳汁中にカルシウムを多く排泄することで、母犬自体にカルシウムが足らない状態となり、それにより、痙攣・発作が起こります。全ての犬で発症しますが小型犬の母犬に多く起こり、放置すれば致死的経過をたどります。

(症状) 不安感や刺激過敏など落ち着きの無い行動、発熱、震えや痙攣発作、瞳孔散大など。 痙攣は強直性で筋肉が強張ったようになります。知覚、意識は明瞭です。

(診断) 臨床症状と時期的な状況、血液検査による低カルシウムなどで判断する。

(治療) それぞれの症状に沿った治療が必要となります。低カルシウム血症に対してカルシウム剤の投与発作に対して精神安定剤低血糖に対してブドウ糖の投与など。

(予防) 妊娠中のバランスのとれた高栄養食の給与妊娠中に過剰なカルシウム剤を投与しないこと、分娩後のカルシウムの添加などが挙げられる。以前に産褥テタニーの経験のある犬は特に注意が必要です。

犬猫の症状から見た疾患シリーズ

嘔吐を示す病気(猫)

  • 食道梗塞
  • 胃潰瘍
  • 胃内異物(異物嚥下・毛球症)
  • 幽門機能不全
  • 十二指腸潰瘍
  • ウイルス性腸炎
  • 細菌性腸炎
  • 腸閉塞
  • 腎不全
  • 肝不全
  • 腹腔内腫瘍
  • 急性膵炎
  • 腹膜炎
  • 汎白血球減少症
  • 子宮蓄膿症
  • 中毒
  • 回虫症

(犬)

  • 幽門機能不全
  • 出血性胃腸炎
  • 症候群細菌性腸炎
  • ウイルス性腸炎
  • 胃潰瘍
  • 胃拡張
  • 胃捻転
  • 症候群急性膵炎
  • 肝不全
  • 腎不全
  • 腸閉塞
  • 子宮蓄膿症
  • 腫瘍巨大食道症
  • 異物嚥下
  • 右大動脈弓遺残症
  • 中毒

多発疾病

FVR・カリシウイルス感染症

人で言う「インフルエンザ」のようなもので、くしゃみ、鼻汁、涙目、めやに、よだれ、食欲不振、声がかれる、声が出にくい等の症状を示します。ウイルスにより感染し、ワクチンを接種している猫でも感染することがあります。重症になったり、衰弱が激しくなると、命に関わることもあるので、早期発見と早期治療を心がけてください。

FLUTD

猫下部尿路疾患の中でも、今月は特に、オス猫の尿閉(尿が出なくなる病気)が集中したようです。季節の変わり目で体調が変化したり、飲水量の変化によって尿の成分が変化し、尿の中に細かい結晶ができます。その結晶が陰茎の細くなっている部分に詰まる事により、尿が出にくくなり、頻尿、血尿が見られるようになります。飼い主が気付かないで進行してしまうと、最後には尿閉となり、手術を受けなければ行けないこともあります。尿が出ないまま数日経ってしまうと、急性の腎不全を引き起こし、尿毒症で死亡することもある、恐ろしい病気なのです。この病気の存在を知り、日頃から食餌、尿の回数や量のチェックをすることにより、手術を逃れることも出来ますので、お気をつけ下さい。

アブセス(喧嘩の化膿)

いわゆる「猫の膿瘍」で、皮膚の下の組織(皮下組織)に外傷による膿汁が貯留し、腫脹したり、破裂したりする事によって発見されるものです。11月は恋の季節の終わりで、オス同志の喧嘩傷が、暫くしてアブセスになることにより、御来院されるケースがありました。猫の皮膚は大変傷の治りが早く、表面が治っても皮膚の下に細菌感染を起こしていると、後になって膿が貯留し、アブセスとなるのです。破裂する前に動物病院で治療を受け、抗生物質等の治療を受けてください。

不妊・去勢

これは疾患ではありませんが、季節繁殖動物である猫にとって、秋と春は発情の季節です。当然、室内飼育の猫でも発情期はやってくるので、春生まれの子は秋に、秋生まれの子は春になると、不妊・去勢手術の時期になるようです。 もともと持って産まれた物なので、必ずしもしなくては行けない手術ではありませんが、オスでは去勢手術をする事により、喧嘩・闘争が半分に減ると言われており、メスでは、高齢になってからの婦人科の病気(乳腺腫瘍等)の発生率が下がるとされており、子宮を摘出するので子宮蓄膿症に罹患する心配もなくなります。飼い主の意向に沿って幾つかの選択肢があるので、仔猫を入手されたら、はじめの健康診断の時にでも獣医師に相談・質問をしてみてはいかがでしょうか。

外耳炎

犬の外耳炎の原因はアレルギー、細菌、カビなどです。中でも多くの外耳炎にマラセチアと言う真菌(カビの一種)が関与しています。症状が進むと化膿し、治りにくくなりますから、 臭い、耳垢などに注意し早期に治療しましょう。

膝蓋骨脱臼症候群

膝の「お皿」が内側もしくは外側に脱臼する疾病で、重症例ではと大腿骨や下腿骨など骨まで曲がってしまいます。小型犬の内側脱臼が非常に多いと感じますが、早期発見により体重コントロールや内科療法を始めれば、必ずしも手術が必要と言うわけではありません。歩き方がおかしいと思われた方は、早めに動物病院にて身体検査をお受けすることをお勧めします。

歯石除去

缶詰など軟らかいものばかり食べている犬は歯石がつき易くなります。歯石は歯への影響だけでなく、腎不全や心不全の原因の一つです。若い仔は歯磨きの習慣を付けるのも良いかもしれません。もう既に歯石がついてしまっている仔は、6、7才までに一度麻酔をかけて歯石除去をした方が良いでしょう。

ケンネルカフ

いわゆる犬の風邪です。きちんとワクチンをうっている仔はある程度罹り難いのですが、それでも完全ではありません。主症状は咳や発熱です。咳は長引く可能性もありますが通常それほど重症にはなりません。しかし、中には肺炎へと進行することもあるので注意が必要です。購入時、トリミングやシャンプーに出した時は要注意です。

心不全

犬の心不全で最も多いのが僧帽弁閉鎖不全症です。高齢犬、肥満犬、小型・中型犬に良く発症します。最近は犬の寿命も延びているため、老齢病が増えていますが、これもその一つと言えるでしょう。基本的に心臓病は治すというより、進行を止める治療しか出来ません。 毎年のワクチンや健康診断の時にきちっと聴診してもらい、早期発見に勤めるべきです。 運動するとすぐ疲れたり、夜中に咳をし出した時は要注意です。また、心臓の薬は一生飲み続けなければならないので飼い主さんの負担も大きなものとなります。塩分の多い食餌を与えない、人の食事を与えない、太らせない、等の事が重要です。

情報提供:ネイチャー・ アニマル・ホスピタル

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